【豆知識】アダルトチルドレンとは

「アダルトチルドレン」という言葉を聞いたことはありますか?

「聞いたことはあるけど、よくわからない」という方や
「もしかしたら自分もアダルトチルドレンかも」という方に向けて
「アダルトチルドレン」についてお伝えします。

<目次>

アダルトチルドレンとは

アダルトチルドレンの特徴

アダルトチルドレンの原因

アダルトチルドレンの6つのタイプ

アダルトチルドレンが陥りやすい悩み

アダルトチルドレンを克服する方法

アダルトチルドレンとは

アダルトチルドレン(AC)とは、子どものころに親や養育者など、
家族から受けた心の傷やトラウマがあり、
大人になってからも生きづらさを抱えながら生活している人のことです。

元々はアルコール依存症の親の下で育てられた子どもを指す言葉でしたが、
現在では肉体的・精神的虐待や過干渉など、さまざまな家庭環境、問題を持つ親のもとで育ち、
心の傷やトラウマを抱えたまま大人になった人のことを
アダルトチルドレンと呼ぶようになりました。

親が親としての役割を果たしておらず、そのため、幼少期から大人であることを強いられてきた、
つまり、「幼少期を子どもらしく過ごせなかった人たち」と言えます。

アダルトチルドレンの特徴

育った環境や親の問題などは人それぞれであり、
抱えている心の傷やトラウマも人によってさまざまです。
が、大きな共通点として「自尊心」「自己肯定感」が低いという特徴があります。

人が自尊心や自己肯定感を高めるためには、
成長過程において「ありのままの自分で愛される」という経験が必要です。
親や養育者から虐待を受けていたり、望んだとおりにしなければ愛されないなどの
環境で育った子どもは自尊心が持てず、
「自分は価値のない人間だ」
「役に立たなければ、価値がない」

「自分はいなくてもいい存在だ」
などと思い込んだまま大人になっていきます。

自尊心や自己肯定感の低い人は、
「周囲の期待に過剰に応えようとする」
「イヤなことでもはっきり断れない」などのように
自分の考えや感情を抑え込み、生きづらさを抱えて生きていく傾向があります。
また、自責的・自虐的になったり、被害妄想から攻撃的な性格になってしまう人もいます。

人に依存しがち

自尊心や自己肯定感の低い人は、自分の価値や存在意義を
周囲の人に必要とされることや愛されることで測り、確かめようとします。

そのため、相手に合わせて無理をしたり、相手の言いなりになったり…
相手に依存する傾向が強くなります。

うつ病などの二次障害になりやすい

アダルトチルドレンは毎日の生活に生きづらさを感じ、ストレスを溜め込んでしまいます。
そのため、うつ病やアルコール依存症、摂食障害、不安障害、適応障害など
二次的な精神疾患にかかりやすい傾向があります。

アダルトチルドレンの原因

アダルトチルドレンの主な原因は次の通りです。

虐待やネグレクトを受けて育った

虐待には身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクトがあります。

このような虐待が日常的に行われる環境にいる子どもは、
虐待から逃れるために自分の感情を抑え込んだり、
大人の機嫌を損ねないよう、無理して「いい子」を演じたりします、
子どもにとって虐待から自分を守るために身につけた防御反応です。

でも、社会に出てから人間関係を築いていくうえでさまざまな問題につながる要因となりやすく、
生きづらさを感じる原因となります。

機能不全家族のもとで育った

子どもは、親や養育者に愛され、一人の人間として認めてもらう経験を重ねていきます。
そうすることで自己を形成し、やがて親から自立していきます。

一方、このような環境ではない家族・家庭を機能不全家族(機能不全家庭)といいます。

機能不全家族は、外側から見てあきらかに問題がある場合だけに限りません。
一見、ふつうの家族に見えても、親が子どもに無関心であったり、逆に過干渉であったり、
共依存、子どもへの条件付きの愛情、役割放棄、子どもをほめない・認めないなど
子どもが日常的にストレスを感じながら生活しなければならない環境は
すべて機能不全家族ということができます。

たとえば、親がアルコール依存症の場合、親はお酒を飲むことに意識が集中し、
家族への配慮ができなくなることから、機能不全家族の原因になりやすいです。

毒親に育てられた

「毒親」とは、子どもに悪影響を与えたり、子どもの負担になったり…
子どもにとって「毒」となる親のことです。

毒親にはいろいろなタイプがありますが、次のような例が挙げられます。
・子どもの行動を常に監視し、口出しする
・完璧主義で、子どもに過剰なプレッシャーを与える
・子どもの夢・しあわせを邪魔する

毒親に育てられた子どもは思考力や判断力を奪われ、自立することができず、
社会に出たときに仕事や人間関係などにうまく適応できない傾向があります。

また、毒親に育てられた人は、自分が親になったとき、
自分の子どもに同じような行動をとってしまうことがあります。

子どもの特性に理解がない

子どもは、おとなしい、活発、よく泣く、よく笑う、癇癪を起しやすい、
衝動的な行動をとりやすい、神経が過敏である、注意力が欠如している、
極端に内向的であるなど、それぞれ異なる特性をもっています。
また、成長や発達のスピードも子どもによってさまざまです。

このような子どもの特性を理解できない、理解しようとせず、
(親にとって)うまくいかない育児のストレスから、子どもを虐待してしまうケースもあります。

アダルトチルドレンの6つのタイプ

アダルトチルドレンは、その表現方法から6つのタイプがあります。
いずれも、生き延びるために無意識に選択した役割だと捉えることができます。

1.親の期待に応えようと無理するヒーロー

親の期待に応え、勉強やスポーツ、習い事などをがんばるタイプです。
模範的な行動をしたり、しっかりしている子どもでいようとし、
親から新らされることで家族の調和をとる役割を担います。

がんばる理由は自分のためでなく、親の期待に応えたい、叱られたくないという
防衛的な気持ちからきており、挫折や失敗をしたときに
急に心が折れてしまう傾向があります。

人間関係において期待される役割を演じ、自らハードルを上げてがんばりすぎることで
疲れてしまうこともあります。

2.家族の不満を引き受けるスケープゴート

ヒーローとは正反対の問題児タイプです。
非行や家庭内暴力などのさまざまな問題を起こし、家族内の「悪者」の立場を負うのが特徴です。
ダメな子どもを演じ、自分の振る舞いに注目や関心をあつめることで、家庭内の本質的な問題から目をそらすことが狙いです。

しかし、意識的でないことも多く、罪悪感が募ってしまうこともあります。

恋愛や結婚においても、なにか問題を起こすことで相手の関心を引こうと考えてしまうため、
相手に愛想をつかされることもあります。

3.存在感を消し、目立たず生きるロストワン

忘れられた子ども。いなくても気づかれないような子どもを演じます。
目立たず、問題に巻き込まれないように無関心を装います。

しかし、本心とは異なるため、孤独感が募り、受容されていないと感じ
自己肯定感が低くなってしまいます。

人間関係においても無理をしているにもかかわらず、放っておいても大丈夫と思われ、
さみしさが募ったり、相手が物足りないと感じてしまうことがあります。

4.家族の顔色をうかがいながら道化を演じるピエロ

冗談を言ったり、おどけたり、ひょうきんに振るまうことで、
家族の緊張を和らげようとするタイプです。

あくまでも役割を演じているだけで、「自分がひょうきんに振るまわなければ家族が険悪になる」
「笑わない、おもしろくない子は嫌われる」と思い込んでいるため、
常に人の顔色をうかがいながら生活しています。
自分が不機嫌になったり、悲しかったり、落ち込んだりしているところは決して見せられません。

また、人間関係において、問題回避のためにおどけて場を和ませたりする特徴があり、
このため、相手から問題から目を背けていると言われてしまうこともあります。

5.家族の世話を献身的に行うリトルナース

親の愚痴を聴いたり、親の代わりに家事の一切を引き受けたり、
弟や妹の面倒をみたりと家族の世話を献身的に行うタイプです。
自己犠牲をして家族のために奔走するため、自分のほんとうの気持ちがわからなくなります。

自分を犠牲にしてまで誰かの世話をするのは、家族の機能を維持し、崩壊を防ぐためです。
この役割を担うことで、自分の存在価値を見出しているためでもあります。

恋愛や結婚においても面倒見がよいという特徴があり、
そのためダメンズが寄ってくることもあります。

6.親の愛情に応えようとするプリンセスプリンセス

親の意志に背かないように、無感情で親の愛情に応えようとするタイプです。

相手の期待に応えようと我慢するため、相手からDVやモラハラを受けても
ひたすら耐えてしまうという特徴があります。

アダルトチルドレンが陥りやすい悩み

人が自尊心や自己肯定感を高めるためには、
成長過程において「ありのままの自分で愛される」という経験が必要です。
”心の安全基地”が土台となり、自尊心や自己肯定感を高めていけるのです。

しかし、アダルトチルドレンの人は「ありのままでいいんだ」という経験が不足しているため、
この”心の安全基地”という土台がしっかりしていません
そのため、生きづらい人生を歩むことになるのです。

アダルトチルドレンの人が陥りやすい悩みを簡単にまとめました。
それぞれの詳細は、順次 ブログにアップしていきたいと思います。

人間関係がうまくいかない

1.相手と親密になると怖くなり、仲良くなっても自ら関係を壊してしまう

2.言いたいことが言えず、「いい人」を演じてしまう

3.いじめられ役を引き受けてしまう

恋愛がうまくいかない

1.ダメな相手ばかりを好きになってしまう

2.愛されている自信がない

3.恋人に依存してしまう

「完璧主義」の呪いに苦しむ

「完璧じゃない自分には価値がない」

「まだまだ足りない」「もっとがんばらなくては」

アダルトチルドレンを克服する方法

アダルトチルドレンの人が抱える生きづらさは、子どものころ、
自分の身を守るために身につけた防御反応に由来しています。
長年、ずっと慣れ親しんだ反応、方法なのです。

その反応、方法がたとえ今は生きづらさにつながっているとしても、
脳は変化を避ける方向に働きます。
「変わりたくない」「自分と向き合いたくない」という抵抗が出てきます。

少しずつ、少しずつ
幼少期のつらい経験で傷ついた心を癒し、自分で心の安全基地を作っていく…
そうやって、自己肯定感を高めていくことで少しずつ克服できるのです。
時間はかかりますが、生きづらさは必ず軽減していきます。

「ありのままの自分でいい」
心からそう思えたとき、アダルトチルドレンを克服できたと言える
でしょう。

アダルトチルドレンの改善にセルフケアは有効ですが、
もっとも効果的な方法が カウンセリング です。

カウンセラーの力を借りることで、自分では気づかなかった問題と向き合う機会も得られますし、
「変わりたくない」「自分と向き合いたくない」という抵抗が出てきた時も
寄り添ってくれるカウンセラーがいることで乗り越えていけます。

もしよろしければ、わたしのカウンセリングを体験しませんか?
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