【豆知識】毒親とは

「毒親」という言葉を知っていますか?

「毒親」って強い言葉だとわたしは感じています。
「毒親」という言葉が多くのアダルトチルドレンを救っている側面もあります。
一方で、「毒親」という言葉に苦しめられている親やアダルトチルドレンがいるというのも事実
です。

「毒親」とはどういう存在なのか?
このブログでは「毒親」という言葉が持つ二面性を意識しつつ、一般的に言われている「毒親」についてお伝えしたいと思います。

<目次>

毒親とは

毒親のタイプ

毒親になる原因

毒親との関係に悩んだときにできること

最後に・・・

毒親とは

毒親とは「子どもの毒になる親」

毒親とは、一般的には「子どもの毒になる親」のことを略して「毒親」と呼んでいます。

毒親は、過干渉や過保護、過度な支配、価値観の押し付けなどによって、子どもに悪い影響を及ぼしてしまいます。

多くの場合、子どもが小さい頃から毒親の悪影響が及んでいます。
しかし、自分の親が毒親だと気づくのはある程度成長してから、特に成人してから気づくというのがほとんどです。

そのため、子どもは自分自身の性格について長い間悩み続ける一方で、「自分がこうなったのは毒親のせいだ」と考え、二重の苦しみを抱えてしまうこともあります。

その一方で、子どもが成人してからも自分の親が毒親であることに気づかない場合もあります。
この場合、親子で「共依存」の関係になっている可能性があります。
どちらにしても、健全な親子関係とは言えず、注意が必要です。

毒親が将来的に子どもに与える影響

親が毒親であると、子どもの将来に対してどんな悪影響があるのでしょうか?

①自分に自信がなくなる

子どもの頃からなんでも親にしてもらったり、あるいは親の指示通りに行動しないと許されなかったような場合、子どもは大きくなっても自分に自信が持てなくなりがちです。

の意見や判断に従って行動してきたため、主体性が育っていないのです。

主体性がないため、自分の意見を主張できなかったり、自分で判断できず行動できない大人になってしまったりします。
なにかをするときには、怒られるのではないかと常に不安を抱えているような大人になってしまうのです。

②何かに依存しやすくなる

子どもの頃から常にあらゆることに対して極度に禁止されたり、制限されていた反動や、親から愛されていたのかわからないなどの理由で、大人になるとアルコール、ギャンブル、異性関係などに依存しやすくなってしまいます。

これらの依存症にはさまざまな原因が考えられますが、毒親との関係で子どもの頃から傷ついてきたことが原因の一つとなっている可能性があります。

③攻撃的な性格になる

毒親に育てられた人は、自分自身が家庭を持ったとき、パートナーや子どもに対して攻撃的な性格になることがあります。

いわゆる「ふつうの家庭」を知らないため家族への接し方がわからず、自分の親がやっていたのと同じような、攻撃的な接し方をしてしまうのです。

毒親の子が毒親になり、将来的にはその子もまた毒親になるという、毒親の負のループが続いてしまう恐れがあります。

毒親のタイプ

毒親は大きく4つのタイプに分けることができます。

①過干渉タイプ

つねに子どもの行動を把握しようとして、過度に干渉するタイプの毒親です。

子どもが小さいうちは、子ども部屋に勝手に入る、友人関係やプライベートを事細かに把握しようとします。
成人になっても、出かけるときなどは「どこで誰となにをしているか」を子どもに言わせることを強制したりします。

このタイプの毒親は、たとえ離れて暮らしていても、毎日のように意味のない電話やメールをしてくることが多いのも特徴です。

②過保護タイプ

子どもがやるべきことを何でも親が代わりにやったり、手伝ってあげたりするという、過保護タイプの毒親です。

子どもの日常生活はもちろんのこと、勉強や部活のことから進路のことまで細かく口を出し、親が決めようとします。
子どもが成人してからも、就職や結婚に対して口を出し過ぎることが多いもの特徴です。

成人になってまで親が世話を焼きすぎるため、自立できない子どもになりやすいのです。
本来であれば、子どもが自立できるように導くのが親の役目であるはずですが、このタイプの毒親は、子どもの世話を焼くことが親としての生きがいだと思っている場合が多いのです。

③支配・管理タイプ

子どもを親の思い通りに支配・管理しようとするタイプの毒親です。
このタイプの毒親は、さらに「暴力タイプ」と「暴言タイプ」に分けることができます。

このタイプの毒親は、世間体を気にし過ぎていたり、自分が叶えられなかった夢などを子どもに押し付けたりする親に多い傾向があります。

◉暴力タイプ

殴る、蹴るなどの物理的な力で親の意見を押し付け、従わせようとするタイプです。
勉強や部活の成績が悪いと暴力を振るうケースは多いですし、中には暴力をもって家事などを子どもに強制するケースもあります。

「教育・しつけのために必要な体罰だ」と主張することが多いですが、親の思い通りに支配・管理するための暴力は虐待と同じと言えます。

◉暴言タイプ

暴力以外の手段で親の価値観を押し付け、従わせようとするタイプです。
子どもが思い通りに動かないと、子どもの人格を否定するような暴言を吐いたり、不機嫌になって子どもを精神的に威圧したりします。

④罪悪感を植え付けるタイプ

暴力や暴言などではなく、子どもに罪悪感を植え付けることで親の思い通りに動かそうとするタイプの毒親です。

「わたしはあなたを大学まで行かせてあげた。ここまで育ててあげた親の言うことは聞かなければならない」
「わたしは体が弱くていつ死ぬかわからない。そんな親を見捨てるの?」
などと、子どもにとって反論しにくい言葉を投げかけ、自らを被害者にして情に訴え、子どもを支配しようとするのです。

このタイプの毒親は、子どもが反抗しようものなら、とことん被害者ぶります。
子どもに罪悪感を植え付けるようなことを言えば、子どもは親の言う通りになると思っているのです。

毒親になる原因

毒親になる原因はさまざま考えられますが、主な4つの原因についてお伝えします。

①精神的に自立できていない

最も大きな原因は、親自身が精神的に自立できていないことです。

精神的に成熟した親であれば、子どもの自立を望み、親は自分の人生を歩んでいきます。
しかし、親自身が精神的に自立できていないと、子どもに執着・依存してしまいます。
子どもが親を差し置いて自立することを認められない、認めたくないという心理が働きます。

そのため、子どもをいつまでも自分の支配下で管理しようとして過度に干渉したり、過度に尽くしたり、束縛したりするのです。

②親の親も毒親

毒親に育てられたために毒親になってしまうという場合もあります。

誰しも、育った環境がその人にとって”ふつう”となるため、毒親に育てられた人は自分も同じように子どもに接してしまうことになり、毒親の悪循環が生じてしまうのです。

毒親に育てられた親も毒親の影響を受けた子どもではあるのですが、毒親の悪循環をどこかで断ち切る必要があります。
あなたがもし、毒親に育てられたとしたら、あなたも将来毒親になってしまう可能性があるのです。

③夫婦仲が悪い

夫婦仲が悪いことによるストレスが子どもに向かう、ということもあります。

母親が口うるさい場合、夫を頼れないから子どもに依存していると考えることができます。
父親が暴力や暴言をふるう場合、妻が思い通りにならないから子どもを思い通りにしようとしている可能性があります。
いずれの場合も、子どもがいないと家族として機能しないため、子どもに執着するのです。

④あきらめた夢を子どもに託す

親自身が果たせなかった夢を子どもに託すことで毒親になってしまうこともあります。

挫折した体験がコンプレックスやトラウマになっている場合、親のコンプレックスやトラウマを子どもで果たそうとして毒親になるのです。

自分の人生における挫折は自分でケリをつけて、子どもには子どもの夢や希望に向かってほしい、その姿を応援したい、というのが本来の親のあり方です。
しかし、精神的に自立できていない親の場合、自分が果たせなかった夢を子どもに押し付けてしまい、かえって子どもの健全な成長を阻害してしまうのです。

毒親との関係に悩んだときにできること

毒親との関係に悩んだとき、どのような選択肢があるのかをご紹介します。

①受け流す

毒親から何を言われても受け流して、「親は親」「自分は自分」として考える。
毒親の言動を気にせず受け流すことができれば一番いいですし、最も現実的な対処法といえます。

ただし、毒親を受け流すことは難しいのも事実です。
ガマンしすぎると毒親の悪影響を受け続けることになりますので、注意が必要です。

②カウンセリングを受ける

毒親がいる家庭では、親も子もほかの人には話せないような深い悩みを抱えていることが多いので、そんな時はカウンセリングを受けてみることをお勧めします。
カウンセラーに悩みを話してみることで、解決の糸口が見つかる可能性もあります

毒親によるストレスが原因で不眠や食欲がないなど、体調が悪いと感じているときは、心療内科で話を聞いてもらうこともお勧めします。

③警察に相談する

暴力や金の無心をしてきたり、家や職場などにきて自分以外の人に迷惑をかけるなど、日常生活に支障が出るようであれば、警察に相談することも検討することをお勧めします。

たとえ親子でも、暴行や障害、脅迫などは立派な犯罪です。
家族だから…とガマンするのではなく、警察に相談しましょう。

④毒親との関係を断つ

法律上の親子関係を切る手段はありませんが、実家を出る・転居する・転職するなど、連絡が取れない状態にすることも選択肢の一つです。

自分を育ててくれた親との関係を断つことに罪悪感を抱く人も多いと思いますが、それこそ毒親に受け付けられた罪悪感なのかもしれません。

最後に・・・

毒親とはどういうものなのか、タイプや原因について話してきました。
暴力や暴言など、明らかに虐待行為だと思われるものから”子どものため”と親が思っている行為まで、状況は人それぞれ異なります。

もし、あなたが毒親に苦しめられているのであれば、その状況に応じた対処を速やかに実施してください。
毒親の悪影響を長く受けることで、心身に悪影響が及ぶかもしれませんので。

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