「セルフコーチング」とは、簡単に言うと、本来コーチとクライアント(相談者)のふたりの関係性において行われるコーチングを自分ひとりで行うもののことです。
コーチングとなにが違うのか、セルフコーチングができるようになるにはどんなことが必要なのか、どんな人が向いているのかなど、セルフコーチングについてお伝えしたいと思います。
そもそもコーチングとは
セルフコーチングとは、についてお伝えする前に、そもそもコーチングってなんだ?をお伝えしたいと思います。
まず、いくつかの定義をご紹介します。
思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くこと
国際コーチング連盟(International Coaching Federation)
コーチングとは、個人の潜在能力を解放し、その人自身の能力を最大限に高めることである。
ジョン・ウィットモア Coaching for Performance
コーチングはその人が学ぶことを支援するものであり、その人を指導するものではない
クライアントがより良く生きるためのセルフマネジメントを継続的に支援する対話と、それを支える関係性。あるいは相手の強みや可能性を引き出すために、本人の自己理解を促進し、本人が望ましい状態を実現していく自己管理を、継続的に支援する対話。またそれを支える互いの可能性
Mindfulness Based Coach Camp®
コーチングとは、コーチとの対話を通してクライアントが自らの強みや可能性に気づき、”自分で自分をなんとかする”ことができるようになることです。
コーチングの特徴は、コーチが教師やコンサルタントのように教えたりアドバイスしたりしないことです。
コーチはクライアントにとって効果的なプロセスを支援する存在であり、クライアントの自主性を引き出す役割を担っています。
コーチングとセルフコーチングの違い
コーチングとセルフコーチングの一番大きな違いは、自分以外の人がいるかどうか、です。
コーチングでは、コーチが話を聴き、質問することでクライアントの内省が深まり、クライアント自らの気づきや行動促進につながっていきます。
一方、セルフコーチングではコーチもクライアントも自分自身です。
自分ひとりでコーチ役とクライアント役を交互に入れ替えながら自問自答を繰り返すことで、自らの気づきや行動促進につなげていきます。
コーチングでは、コーチが必要ですし、事前に決めた時間に行うことが必要です。また、もちろん費用もかかります。
セルフコーチングはいつでも、どこでも、自分で時間を作れば行うことができますし、費用もかかりません。
セルフコーチングを身につけることで、自分で自分をアップデートできるようになる、ということができるかもしれません。
セルフコーチングをおすすめする人
セルフコーチングとは、自分の中にコーチを持つこと、と言えます。
そのため、自分を客観的に観察し、自問自答できる力が必要です。また、自ら目標を設定したり、自己管理する力も必要です。
これらの力は最初は十分に持っていなくても、セルフコーチングを行っていく中で強化されていく力でもあります。
では、セルフコーチングをおすすめする人とはどんな人なのでしょうか。
1.モヤモヤとしたストレスを抱えている
わたしたちは日々、多くのストレスを感じながら生活しています。
なにが原因かわからないけど、なんだか前向きになれないとか、モヤモヤするとか…
ストレスの許容量は人によって異なりますが、許容量に近くなるとモヤモヤしたり、イライラしたり、視野が狭くなったりしやすくなります。
セルフコーチングを行うことで、そもそも自分がどんなことにストレスを感じているのかが明確になることで思考がクリアになり、問題解決に向かいやすくなります。
また、本来の自分のありたい姿、やりたいことを再認識できることで、なにを大切にしたらいいのか、必要な優先順位をつけやすくなります。
2.達成したい目標がある
達成したい目標が明確にある人は、セルフコーチングをおすすめします。
セルフコーチングでの自己対話により、あきらめそうになったときに自分で自分の背中を押すことができたり、何度も目標を再認識することができたりすることで、目標に向かって継続して行動することができるからです。
3.自分の大切にしたいことがわからず、行動できないでいる
自分が大切にしたいこと、つまり自分の軸がわからないと行動することができなくなります。
セルフコーチングで自分の大切にしたいこと、考え方や価値観を見つめることで、自分にとってなにが大切なのか、楽しいと思えるのか、やりたいことなのかが明確になり、優先順位をつけることができるようになることで、行動しやすくなります。
また、考え方や価値観を見つめることは行動の選択肢を増やすことにもつながり、漠然と考え、悩んでいるより、行動につながりやすくなると言えます。
4.他人軸で生きている、他責にしている
ほかの人の評価が気になったり、相手のことを優先してしまう人、他人のせいにしてしまう人にもセルフコーチングがおすすめです。
セルフコーチングで自分のありたい姿ややりたいこと、大切にしたいことを明確にすることで、自分を優先する生き方ができるようになるとともに、自分の考え方や価値観を認識することで自分で選択し、その結果を自分で引き受ける=主体性を身につけることができるようになるのです。
セルフコーチングのメリット
セルフコーチングができるようになること、日常的に行うことでのメリットにはどんなことがあるのでしょうか。
1.目標達成の確度が高まる
セルフコーチングでは目標達成に必要な行動や優先順位が明確にあるため、目標達成の確度が高まります。
自分自身で目標達成の障害となっている事実を正しく認識し、より具体的な解決方法に気づけるようになります。自分で気づくことから自主性も養われ、モチベーションが高い状態で目標に向けて行動することができるようになるのです。
2.主体性を手に入れる
セルフコーチングは自問自答の繰り返しです。
自分で自分に問いかけ、気づき、解決方法を見つけ、行動する…この繰り返しの中で、自信を持って行動できるようになっていきます。
また、自分のやりたいこと、ありたい姿を意識するようになることで、誰かの背中を追いかけたり、周囲の評価を過度に気にすることなく、自分で道を切り拓いていく主体性を手に入れることができるのです。
さいごに
セルフコーチングにおいて2つ重要なことがあります。
ひとつ目はありたい姿、なりたい自分を明確にイメージすることです。
最初は曖昧なイメージでも構いません。セルフコーチングを行う中で、少しずつ明確にしていけばいいのです。
たとえば、「しあわせになりたい」と思うのであれば、自分にとっての「しあわせ」を考えてみます。どのような場所で、どのような人たちと、どのように過ごしていることが「しあわせ」なのか、自問自答しながら明確にしていくのです。
ありたい姿を明確にすると、問題や課題も明確になり、具体的な解決方法も見つかりやすくなります。また、選択するときにも迷いがなくなり、行動しやすくなります。
ふたつ目は、自分の気持ち・感情に気づくことです。
わたしたちはふだん、周囲の状況や事柄に意識を向けがちで、自分の気持ちや・感情に気づきにくくなっています。また、「モヤモヤする」「イライラする」など漠然としていて、いま、自分がどう感じているのか、なにに対して感情が湧いてきているのか、わかっていないことが多いのです。
そのためにお勧めしているのが「マインドフルネス」です。
瞑想などにより、自分と向き合い、いまの自分の気持ちや感情に気づきやすくなっていきます。
マインドフルネスの方法などについては、改めてご紹介したいと思います。
あなたのありたい姿はどのようなものでしょうか?
セルフコーチングがうまくいかない、ありたい姿をイメージできない、いつも同じ思考を繰り返してしまう…そんなときはコーチングを受けてみてはいかがでしょうか。
セルフコーチング力を高めるためにも、コーチングは有効です。
コーチングを受けたことがない人は、一度体験してみませんか?
わたしのコーチングを受けてみたいと思った方は…