自分の人生は主役も脚本も自分

あなたは自分の人生を生きていますか?

あなたの人生はあなた自身のものです。
どんな内容にするのか
どんな主人公なのか
あなた自身で決めることができるのです。

自分の脚本であなた自身を縛ってしまい
生きづらいなと感じていたり
苦しいなと感じているなら
脚本を書き換えるときがきたのかもしれません。

人生脚本とは

子どもの頃に親などから受け取ったメッセージによってつくられた、無意識のうちに繰り返している思考・行動のパターンのことを「人生脚本」といいます。

子どもの頃に身につけた思考・行動パターンは、年齢を重ねても影響を与え続け、無意識に生き方を決めてしまいます。
いま、生きづらいなと感じていたり、苦しいなと感じている思考や行動のパターンは、子どもの頃に受け取った親などの影響で作った「人生脚本」が原因かもしれません。

人生脚本はおおむね4つのパターンに分けることができます。

1.成功者の人生脚本

親から愛情を受けて育ったことによって、「自分という存在を大切にしていこう」「自分の望みを叶えていこう」と、無意識に決断できる人生脚本のこと。
自己肯定感が高く、自分の夢や希望を叶え続けようとする

2.平凡な人生脚本

ある程度、親からの愛情を受けて育ったが、目立つこと、挑戦することへのリスクも体験したことによって、「目立たなくていい」「平凡でいい」と、無意識に決断する人生脚本のこと。
自己否定と自己肯定を繰り返したり、少しの不満と少しの満足を繰り返したり、いわゆる一般的でふつうの状態を繰り返そうとする

3.敗者の人生脚本

自分の存在を否定されるようなメッセージを親から受け取ったことによって、「こんな自分はダメだ」「こんな自分は許されない」と、無意識に自己否定をしてしまう人生脚本のこと。
自分を否定的に捉えたり、失敗から学べず、失敗を繰り返してしまう

4.破滅型の人生脚本

放置や虐待など、親からの愛情をほとんど受けたことがなく、「自分なんていないほうがいい」「自分には価値がない」と、無意識に感じてしまう人生脚本のこと。
自殺・依存症・過食・拒食・犯罪などに陥りやすく、「成功しなければ意味がない」と自分を厳しく追い込んだり、自分を粗末に扱ってしまう。

子どもの頃からずっと同じ脚本で生きてきたから、書き換えるのは勇気がいるかもしれません。
時間がかかるかもしれません。
でも、人生脚本は書き換えることができるのです。

生きづらさや苦しさの原因となる人生脚本はどうやってつくられるの?

生きづらさや苦しさの原因になるような人生脚本は、親から受け取った否定的なメッセージや行動に基づいて作られます

人生脚本は、精神科医エリック・バーン(Eric Berne)によって提唱された「交流分析」という心理療法の中で用いられる理論のひとつです。
交流分析では、親から受け取った否定的なメッセージや行動のことを「禁止令」と「ドライバー」と呼んでいます。

1.禁止令

禁止令とは、「〇〇してはいけない」という禁止の命令のことで、親などから否定的・禁止的な態度を繰り返し受けることで、自らの思考や行動の制限を作ってしまうもののことです。
なにかをガマンしたり、抑圧するパターンとなって、人生に影響を与えます。

①存在するな :自分の身体や命を大切にできなくなる
②成長するな :依存傾向になりやすくなり、成長できなくなる
③成功するな :成功すること・しあわせになることを怖いと感じてしまう
④重要であるな :責任を負うこと・注目を浴びること・目立つことを避けてしまう
⑤感情を感じるな :自分の感情を抑圧し、表現できなくなる
⑥健康であるな :自分を傷つけることで、相手の関心や同情を引くようになる
⑦仲間になるな :人と分かり合う経験が不足してしまう
⑧実行するな :誰かの許可がないとなにもできなくなる
⑨子どもであるな :自分より相手の気持ちを優先し、誰かの世話を焼くようになる
⑩信用するな・愛するな :人に対して壁を作ったり、人を信頼できなくなる
⑪男であるな・女であるな :自分を無価値だと感じ、周囲の評価を気にするようになる
⑫考えるな :自分なりの意見を持てなくなる

2.ドライバー

ドライバーとは、「〇〇しなさい」「〇〇したほうがいい」「〇〇であるべき」というメッセージを受けて、そのように生きていこうと自らに課したもののことで、その人の行動を駆り立ててしまいます。

①完璧でなければ! :自分に対しても、周囲に対しても完璧を求めて厳しくなる
②もっと努力しなければ! :周囲に助けを求めたり、疲れを癒すことができなくなる
③人をよろこばせなければ! :余計なお世話を押し付けてしまい、相手が受け入れてくれないと大きく混乱してしまう
④もっと急がなければ! :いつも焦りを感じて、何事も中途半端になりやすく、じっくりとやり遂げることができなくなる
⑤強くなければ! :自分が苦境に陥ったとき、周囲に助けを求められなくなる

人生脚本を書き換える方法

人生脚本を書き換えるには、「禁止令」や「ドライバー」の存在に気づき、これらを緩めることが必要です。

「禁止令」や「ドライバー」は目に見えないものですし、無意識な思考や行動のパターンであるため、気づくことが難しいのです。
そして、変えたいと思ってもなかなか変えられなかったからこそ、いまも生きづらさや苦しさを抱えているため、ひとりで書き換えるのには困難が伴います。

また、人生脚本を書き換える際には、注意点があります。

1.人生脚本の存在を肯定する。子どもの頃に身につけた自分の思考や行動を否定しない
2.「〇〇してはいけない」という禁止令や「〇〇しなきゃいけない」というドライバーの存在に気づき、ひとつひとつ緩めていく。慌てない

人生脚本を書き換えるときは、ひとりで取り組まず、「心理カウンセリング」や「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」を利用するのが一般的です。
ムリせず、専門家のサポートを受けながら人生脚本の書き換えに臨んでいただきたいと思います。