自分はほんとうにアダルトチルドレンなのか?と悩む理由

アダルトチルドレン(AC)のチェックリストであてはまる項目が多いけど、ほんとうに自分はACなのだろうか…そんなふうに思っていませんか?
どこかでACであることを認めたくない気持ちがありませんか?

そんなふうに思う心の動きの背後には、自分を守ろうとしている「防衛」の働きがあるかもしれません。

誰にでもある防衛機制とは

心には自分で自分のバランスを取ろうとする仕組みがあります。

自分の外側で起きている現実を受け止めきれないとき
自分に向けられた言葉をそのまま受け取ると心が壊れてしまいそうなとき
人はさまざまな方法で、無意識に自分を守ろうとします。
それが「防衛」です。

さまざまな「防衛」を使い分けて、現実に適応し、生き延びようとしているのです。

でも、時にはその「防衛」が不適切なレベルにまで強くなり、
自分の心を苦しめることがあります。
実は、この「防衛」が強くなりすぎることが、悩みの原因の多くを占めているのです。

「否認」という防衛方法

自分の外側の現実を受け止めきれないとき、
「そんな事実はない!」と否定したり、認めないことで
心を守ろうとする仕組みのことを「否認」と呼びます。

過去につらい思いをしてきたり、
悲しみ、怒り、さみしさ、屈辱感、罪悪感など、さまざまな気持ちを抱えてきたり、
ひとりでは背負いきれない、そんな気持ちから自分を守るために現実から目を逸らす…
それが「否認」という防衛
なのです。

ACだという現実を受け止めないのは「否認」が原因

ACチェックリストを読んでいると、あてはまることが多くて
ドキドキしたり、胸騒ぎがしたり、怒りが湧いてきたり…
つらかった過去を思い出して涙があふれてきたり…

そんなとき、こんな言葉が浮かんできていませんか?
「いや、そんなことないんじゃないかな?」
「毒親ってほど、ひどい親じゃなかったし、自分はACじゃないな」
「しんどい気持ちなんて時間が経てばよくなると思うし…」

これは「否認」という防衛です。
ACだという現実を受け止めたくない、
ACだと受け止めることはつらい過去を認めることになる、
心に傷を負っていることを認めることになる、
受け止めたら心が壊れてしまうかもしれない…

だから、どんなにあてはまることが多くても、あてはまらない理由を探して
現実から目を逸らしているのです。

防衛は無意識のうちに働きます。
頭では現実と向き合っていると思っていても、
「否認」という防衛反応が働いて、現実から目を逸らしてしまうのです。

否認が苦しみを生む

ひとりでは背負いきれない気持ち、心が折れてしまいそうな経験、
そこから身を守るために、現実から目を逸らすのが一番安全だったのかもしれません。
「否認」はあなたの心を守ってきてくれたのだと思います。

「否認」をずっと続けていると、
つらかったとか、悲しかったとか、さみしかったとか、
もっと愛してほしかったとか、話を聴いてほしかったとか、
ほんとうにしたいこと、ほしいこと、イヤなこと、
ほんとうの自分の感情や欲求を抑え込んで、ずっと無視するようになっていきます。

抑え込まれた感情や欲求は、いろいろな心の症状や体の症状、行動の異常となって表れます。
この症状さえも否認して、抑圧するから症状が出て、それさえも否認して…
否認を続けることで、苦しみの悪循環に陥ってしまうのです。

否認せずに認めることが苦しみから抜け出すはじめの一歩

あなたがほんとうにACなのか、わかりません。
でも…
ACなのかな、と迷う心の動きの背景に、つらかった過去や気持ちを見ないようにしよう、
認めないようにしようと自分を守ってくれる防衛「否認」が働いているかもしれない、
まずは、そこに気づいてほしいと思います。

認めること、受け入れることは心の痛みを強めるかもしれません。
ざわざわしたり、モヤモヤしたり、イヤなことを思い出させるかもしれません。

一時的には否認したほうが自分の身を安全に保つことができるかもしれません。
でも、否認して、抑圧して…そうしているうちに自分の欲求や感情がわからなくなり、
苦しみの悪循環に陥ってしまいます。

ケガをしたとき、「ケガなんてしていない」と否定したら治療できませんよね。
心の傷も同じです。
「心に傷がある」そう認めることで癒すことができるようになるのです。

否認せずに認めること、自分の感情や欲求を受け止めること、
それが苦しみの悪循環から抜け出すはじめの一歩になります。

まとめ

自分はほんとうにACなのか、と悩む心の動きの背景には「否認」があるかもしれません。

否認することで一時的な心の安全が保てたとしても、
否認し続けることで苦しみの悪循環に陥ってしまいます。
悪循環から抜け出すには、否認せずに認める、受け止める、それが大切な一歩になります。

あなたにちょっとでも勇気があって、自分を変えたいと思っているのなら、
過去の経験やそのとき感じていたこと、いま感じていることに向き合っていきましょう。
あるものをある、と認めることで、はじめて癒すことができるのですから。

「否認」は無意識に働く防衛です。
ひとりで取り組むこともできますが、カウンセラーとともに取り組むことで
否認しているものに気づくことができ、痛みと向きあう勇気を持ち続けることが可能になります。

自分を変えたいと思っているあなた
一度、カウンセリングを受けてみてはいかでしょうか?

わたしのカウンセリングを試してみたい方は…