過食は満たそうとする行為

食べたくないのに食べてしまう、食べ過ぎてしまう…それが「過食」です。

✅お腹が苦しくなっても食べるのを止められない
✅常に食べ物を口にしていないと落ち着かない
✅これまでの自分に比べて、明らかに食べ過ぎることが増えた
✅食べ物のことばかり考えてしまう
✅異常に食べ過ぎているのではないかと悩んでいる

”食べる”行為にまるで支配されているかのような感じ
かつてのわたしはそう感じていました。

過食は満たそうとする行為

過食に至る要因として、身体的要因と心理的要因の大きく2つに分けることができます。
いずれも、足りていないものを満たそうとしているという共通点があります。

1.身体的要因

過度なダイエットなどでエネルギーが大幅に不足しているとき
偏った食生活で必要な栄養素が大幅に不足しているとき などは
身体が必要なエネルギーや栄養を補おうとして、過食になることがあります。

わたしは拒食症のあと、過食になりました。
あきらかにエネルギーが不足していたので、生きるために身体が求めたのだと思っています。
心は食べること、太ることへの恐怖でいっぱいだったので、食事は食べないのですが
突然 食べたい衝動に駆られ、気がつくと大量のパンやお菓子を食べている、という感じでした。

身体的要因による過食は、エネルギーや栄養が満たされることで落ち着いていきます。

2.心理的要因

心の中に満たされない部分があり、それを埋めようと過食になることがあります。

満たされない部分は人によってさまざまです。
愛されている実感が持てない、自分が何者なのかわからない、
なぜ生きているのだろう、生きづらさを抱えたまま懸命に生きている人たち
そんな人たちの心の中の満たされない部分を食べることで満たそうとする行為、
それが過食につながっていくのです。

食べるという行為はしあわせを感じさせてくれます。
甘いものを食べるとホッとしたり、イヤなことがあったときに食べ放題で憂さを晴らしたり、
食べることで快楽を感じ、ストレスを軽減しているのです。

でも、心の中の満たされない部分は食べることで埋めることができないのです。
食べているときは快楽を感じることができたとしても、満たされない部分は残ったまま。
満たされない部分が残っているので、再び快楽を感じるために食べるという循環が起きるのです。
食べることに”依存”している状態になるのです。

わたしは食べている間はなにも考えずに済むことが救いでした。
パンパンになったお腹を抱えながら眠ってしまうことにしあわせを感じていました。
起きたとき、激しい自己嫌悪に襲われると頭ではわかっていても、
食べることをやめられませんでした。

心理的要因による過食は、心が満たされることで落ち着いていくのです。
裏を返せば、心が満たされないと落ち着いていかないのです。

最後に

過食は身体的・心理的に不足しているものを補おうとすることが要因で始まります。
どちらか一方でなく、どちらも満たしていくことが必要です。

食べることは生きるために必要な行為であり、遠ざけることができません。
そのため、摂食障害を克服するには長い時間がかかると言われています。
長い時間がかかればかかるほど、身体への負担も大きくなります。

きっかけや原因は人さまざまです。
いま、過食に悩んでいる方、過食で悩む家族をお持ちの方、
ひとりで抱えずに、身近な人に相談したり、医療機関を受診したり、
カウンセリングに通ったり…
ご自身にあった解決方法を見つけてほしい、と心から願っています。