マインドフルネス×カウンセリング

カウンセリングにマインドフルネスを取り入れることは とても有効です。
このブログでは、マインドフルネスの基本姿勢とカウンセリングの関係についてお話ししようと思います。

マインドフルネスとは

そもそも、マインドフルネスってなんでしょう?

マインドフルネル療法の提唱者であるジョン・カバット・ジン(Kabat-Zinn,J.)は、マインドフルネスについて次のように定義しています。

今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく能動的に注意を向けること

わたしたちの悩みは、過去や未来についての心配事がほとんどです。

・ひどいことを言ってしまった。嫌われるかもしれない。
・あの時、もう少しがんばってみればよかった。
・明日の商談はうまくいくだろうか。
・いまのままで、生活していけるのだろうか。

これらの悩みは”いま”起こっているわけではありません。
わたしたちは”いま”を生きているのですが、悩みは過去や未来に関することなのです。

”いま、この瞬間”に目を向けられるようになると、過去や未来の悩みにとらわれず、一瞬一瞬を大切に生きていける…
それが「マインドフルネス
」なのです。

マインドフルネスの7つの基本姿勢

①判断しない
②忍耐強くあれ
③初心を忘れない
④自分を信じる

⑤努力しない
⑥受け入れる
⑦とらわれない

この7つの基本姿勢とカウンセリングの関係をお話ししていこうと思います。

①判断しない

観察した感情や考え方に対して、腹を立てず、憎まず、批判せず、判断しない。
ありのままの感情や考え方をそのまま自然なものとして観察する。

不安や心配という感情に気づいたとき、「不安を感じている自分がいる」「私は〇〇について心配している」と気づくだけで十分だ、と考えるのです。

カウンセリングでも、自分の感情に気づくことを大切にしています。
そして、その感情を批判や判断せずに、そのまま受け止めるということを行っていきます。

②忍耐強くあれ

マインドフルネスはすぐに習得できるものではなく、忍耐強くあることが大事とされています。
マインドフルネスを練習していても、初めのうちは感情の波に飲み込まれてしまうことがあります。
そんなときは、感情の波に飲み込まれている自分を忍耐強く観察することで自分を客観視することができ、感情の波に飲み込まれにくくなっていきます。

カウンセリングでは時に感情に飲み込まれそうになる方もいらっしゃいますが、カウンセラーが寄り添い、感情の波に飲み込まれないようサポートしていきます。

③初心を忘れない

日々の体験に対して、はじめてのことのように感じることを大切にします。
知っている、わかっている、と思っていると違っていることに気づけなくなってしまいます。

自分というものは、わかっているようでわかっていない部分もある存在です。
見慣れているものでも「初心」で見ると、新たな気づきがあり、感動が生まれるものです。

カウンセリングでも、自分の感情や考え方に向き合う場面があります。
自分の感情や考え方に「初心」で向き合い、新たな自分を発見していくことが悩みの解消につながっていくのです。

④自分を信じる

自分を信頼し、決めていくことを大切にします。
周りの意見を求めることは必要ですが、最後は自分の直観や想いを信じて、決めていることが必要です。

カウンセリングを受ける方は自分を信じられなくなっている方が多いです。
そのため、まずは自分を信じることができるようになることを目指します。
そのうえで、どう生きていきたいのか、なにを大切にしていくのか、自分で決められるようになることを支援しています。

⑤努力をしない

マインドフルネスでは努力しない自分も認めます。
自分を変えようとか、違う自分になろうとか、変わろうとしなくてもいいと考えます。

自分を変えようと努力することは、いまの自分を否定し続けることだと言い換えられます。
いま、この瞬間を生きている自分が価値ある存在だと感じられなくなってしまうのです。
いまの自分に十分価値があると感じた上で、必要な部分だけ努力するという姿勢が大切です。

カウンセリングでも、いまの自分を大切に、価値ある存在だと受け止められるようになることから始めていきます。
そのうえで、生きづらさを解消するために必要な部分だけを変えていこうと考えていきます。

⑥受け入れる

マインドフルネスでは、苦痛、不安、恐怖は自然な感情であり、そのまま受け入れるとともに、全体を俯瞰して観察することを大切にします。
自分を俯瞰してみることで、感情とともに自分を受け入れることができるようになります。

カウンセリングでは、まずカウンセラーがあなたをそのまま受け入れることから始まります。
受け入れられる体験を通して、自分で自分を受け入れられるようになっていくのです。

⑦とらわれない

マインドフルネスでは「とらわれないこと」を大切にします。
人は執着する生き物ですが、執着することで失うことが怖くなったり、不安が大きくなったり、イライラしたりするのです。

執着している自分に気づいたら、それを手放す(緩める)、それが穏やかな心で生きていくことにつながります。

カウンセリングでは、生きづらさの原因となっている執着に気づき、手放していく…そんな取り組みも行っています。

マインドフルネス×カウンセリング

マインドフルネスの7つの基本姿勢とカウンセリングの関係についてお話ししました。
いかがだったでしょうか?

マインドフルネスにはさまざまなやり方があります。
たとえば…「呼吸エクササイズ」「ボディースキャン法」「歩く瞑想」「レーズンエクササイズ」などです。

日常的にマインドフルネスに取り組むことで、いまの悩みが軽減するだけでなく、穏やかな心で毎日が過ごせるようになっていきます。
取り組めそうな方法から、日常に取り入れてみてはいかがでしょうか?